地域社会とは一定の地域的範域に 「地域・社会・暮らし」

おいて形成される人々の社会生活のまとまりをいう。

地域社会の範域としては、一つには、居住の場、消費の場としての家族集団を中心とした近隣関係を、いま一つには、居住の場や消費の場だけではなく、生産労働の場としての企業体とか事業所や、余暇活動の場としての盛り場などを含んだものを考えることができるといえよう。

もとより、一時代前の人間の暮らしのように、消費生活や生産労働や余暇活動などの営みが家族や村社会の人々と同一地域でなされていたときには、これらの活動の場は重なっていたのであるが、しだいしだいに、生産労働や余暇活動の場が家族や村社会から離れて、別の場所で、別の社会関係のもとで営まれるようになると、地域社会の理解や把握においても、消費生活の場面に力点を置くものと、生産労働や余暇活動の場を含めて理解するものとに分かれてくる。

このようにみてくると、地域社会の理解においても、何百年とか何世代にもわたって自然発生的、自生的に形成されてきた村的結合と、流動し移動する人々が一定地域に定住し、共住することを契機として、すこしでも住みよい街づくりへとお互いが努力し、取り組んでいくなかでつくられていく地域的まとまりとを、一つにくくってとらえるというのは妥当ではない、ということになるであろう。

地域社会のうちにも、村社会や生まれ故郷とかいった「生み込まれる」という色彩が濃いものと、住民の合意や連帯や共同の活動のなかから「つくられる」という性格の強いものとの二つがあわせ存在しているのである。

それゆえ、今日、そして今後の日本における地域社会というものを考える場合には、それを自然発生的、自生的な地域的なまとまりであると理解するよりも、共通の目標や関心をもつ人々が意識的、計画的につくりあげていくものだととらえるほうがより適切で妥当であろう。
update:2010年02月25日